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書籍紹介/住職日記

当本書

少し前に、茶寮「喫茶去」で参拝者とお話をしていたら、「お坊さんって普段どんな本読んでいるの?」と質問されましたので少しご紹介させていただきます。

ちなみに私は基本的には仏教書がほとんどになります。ときどき流行りの本を漁りますが、仏教関連がほとんどです。ですので紹介する書籍は仏教関連です。その中でも、どなたでも読みやすい本をご紹介します。

今回ご紹介させていただくのは飲茶さん著書、「史上最強の哲学入門~東洋の哲人たち」です。

一般的に哲学、と聞くと苦手な方が多かったり、難しいイメージがあると思います。しかし、この飲茶さんはこの表紙のポップなイラストでもわかると思いますが、非常に分かり易い哲学の解説をしてくれます。特に哲学、仏教、歴史を学ぶ上で非常に理解が深まる一冊になります。

ちなみにイラストはあの人気漫画「バキ」「範馬刃牙」で有名な板垣恵介さんです。私も青年時代の頃はよく拝読しておりました(笑)

この刃牙の世界観をしっている人は特に面白いかもしれません。ただし中身は非常にしっかりと練りこまれています。

飲茶さんの前作「史上最強の哲学入門~西洋の哲人たち」と併せて観ていただくと、西洋と東洋での思想や文化形成などが非常に理解できますし、現在の日本においても、先人たちの哲学が今日に広く深く影響している事がわかります。

さて、東洋哲学は本書から見るとインド哲学から始まります。そしてお釈迦様を通し、中国は孔子から老子、「空」の思想から「般若心経」の解説。日本に伝来した仏教哲学が枝分かれして様々な宗派に分派していき、最終的に曹洞宗開祖道元禅師までつながります。

本書を読む前に著者は東洋哲学を頭では真の意味で理解は無理だよ。と云います。これは宗門の教えにも通ずるところでありますが、東洋哲学はどこまでも、実践を通して理解するほかない。しかし、頭での理解も実践を通して必要になってきます。

例えば本書にも説明されていたリンゴ(悟り)の話。

世界の全てが白黒のみの世界で生きている人間に、リンゴの赤色を説明する事はかなり難しが(かなり抽象的になるはず)、真の意味で理解させることはできない。

リンゴの色を理解するには、白黒以外の色が存在する事を知り、実際にリンゴの赤を観る事が一番の認識になる。

要するに東洋哲学(特に仏教)を理解し悟りを得るには実践(体験)をする事が重要という考え方です。ただし、知識として、リンゴを知らないといけませんし、リンゴの色は赤らしい、という知識程度はあった方が良い。

当たり前の話ですが、これも頭では理解していますが、体験を通していないと真の意味で認識理解にはならないでしょう。

哲学や仏教を勉強したい方は、非常に分かり易い入門書ですので、是非一度手にとって下さい。面白いです。おススメです。

住職 永島 匡宏 合掌

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