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二面性の姿をもつ名勝庭園・お知らせ

【全国に2か所しかない二面性のある庭園】

    7月7日現在の庭園状況

青岸寺庭園は昭和9年に文化省より国指定の名勝庭園の指定をうけている庭園です。日本庭園研究家第一人者の重森三玲さんの働きかけが大きかったようですが、歴史的文化価値はもちろんですが、何よりも、庭自体の作風が非常に評価を受けている、優れた庭園といえます。

枯山水でも杉苔を水に見立てている点や、現地の石を沢山使用している点、作庭者の彦根藩士の香取某氏の武士らしい力強く、計算された石組みの配置や設計。庭園を依頼した青岸寺三代住職興欣和尚の仏教(禅)を取り入れた優れた世界観。太尾山の大自然を効果的に借景とした生かしているなど、数え上げたらきりがないほど、興味深い優れた庭です。

何よりも特徴的なのがやはり二面性があるという特徴です。普段は枯山水庭園の様式をしていますが、一定以上の雨が降ると、山の湧き水が流れて溜まり、伏流水となって、庭園に水を張り巡らします。現在でも枯山水庭園と池泉庭園の二つの姿をもった庭園はけして多くはありません。昭和以降に何か所か作庭されているようですが(京都の光明院など)江戸時代の作品となると二か所ほどしか確認をされていないそうです。一つが沖縄県にあるということですので、本州は青岸寺だけとなります。

非常に珍重な、そして極めて優れた二面性がある庭園は本当に貴重であるといえます。

大変面白い庭園にも関わらず、あまり認知されていないというのは住職の力量だと反省しております。しかし、京都の庭園と違い、他の観光客に気を遣わず、ゆっくりとお庭を拝見できます。

また、現在は住職が基本寺院にいますので、求めがあれば拝観説明もいたします。(静かに鑑賞されたい方もいらっしゃるので必ず伺います。)

【庭園の現状況と注意喚起】

7月7日現在、全国的に大雨が続いています。その影響で青岸寺庭園も池泉庭園に姿をかえていますが、来山される方は、十分道中安全を確保して、けして無理をされないようにお願い申し上げます。

住職 永島 匡宏 合掌

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