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もうすぐお盆ですね。

久しぶりの投稿になりました。8月になり一部地域ではお盆参りがはじまり、お坊さんを見かける事が多いのではないのでしょうか。拙僧も静岡県や大阪府にお盆のお手伝いの為、この時期は寺院に居ることが少なく、慌ただしい毎日を過ごしております。

青岸寺盂蘭盆会法要の施食棚

さて、8月13日~8月16日はお盆の期間になります。一般的には旧盆である8月が普及していますが、一部地域では7月にお盆をいたします(新盆といいます)。日本ではご先祖様の墓参の為にお盆休みをとる会社や企業なども多いようです。多くの方が家族を連れて、里帰りやその家のお墓にお参りします。

日本人は宗教ばなれして久しいといわれていますが、海外の方からみたら、日本人ほど無意識のうちに宗教を文化としてとりいれている民族は実に不思議で珍しいようです。

思えば、日本人は正月に神社参りや寺参り、節句のお祝い事、クリスマス、最近ではハロインなど、実に多彩な宗教を日本人独自の文化に昇華させ、楽しんでいます。結婚式も基本宗教に関係なく式を挙げられます。本当に日本人は世界的にみても文化に対して寛容的でおおらかな民族である事がわかります。この日本人の宗教観は世界でも密かに注目を浴びています。

余談ですが、今年私の3歳の子供と映画館に行きました。その時、「クレヨンしんちゃん」を鑑賞しようと思っていたら、子供が急に「いやいや」といいだしたので、急遽ピクサーの「リメンバーミー」というアニメ映画を見ることになりました。

内容を知らずに見ていると、舞台はメキシコでしたが、日本のお盆の風習と考え方に非常に似ている「死者に日」という文化があるそうです。この映画は日本人には自然と受け入れられる映画だと感じました。遠い国での文化が日本の文化と酷似している事が非常に不思議な感覚になりましたが、とても良い映画でした。興味ある方は是非DVDをご覧ください。

話を戻して、地域によって異なりますが、一般的には、8月13日の迎夕方に迎え火を焚き、ご先祖様が迷わないように墓地と家に火を灯します。そして16日(または15日)夕方には、送り火を焚き、ご先祖様を見送りをいたします。

日本人の核家族化が進み、近年は実家などに足を運ぶことも少なくなってきている昨今。親戚や家族が一同に会する機会は本当に貴重なことではないでしょうか。

県指定文化財、本尊「聖観世音菩薩坐像」

現在の「私」という存在は、ある日急にこの世に出てきたわけではありません。必ず「私」には両親がいて、その両親にも親が存在し、命の継承を繋いできているのです。日本人の遠い先祖は皆同じであり、多種多様な民族がいますが、すべてご先祖様が一緒になるのです。現在の「私」という存在はとてつもない命の繋がりの上で存在しているかけがえのない「命」になります。これを仏教や日本人は「有難い」といいます。今の「私」が存在しているのが、どれほどの奇跡の上で存在しているのか、考えると感謝の気持ちに溢れてまいります。

一年に一回のお盆のシーズン。今の「私」という存在を作り上げてくれた、ご先祖様に「有難うございます」の気持ちを伝えたいものです。それが日本ではお盆であります。皆様も是非、ご家族と共に、感謝の気持ちを込めてお盆を迎えたいものです。それでは皆様。よいお盆をお迎えくださいませ。

住職 永島 匡宏 合掌

 

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