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東日本大震災発生から10年目

平成23年3月11日14時46分に発生した東日本大震災から10年の歳月が経過しました。

今日は全国各地、いや世界中で被災者を尊び、慰霊祭や供養が行われています。あの日の出来事は今も鮮明に思いだされます。

私は震災時は神奈川県横浜市鶴見区鶴見にある大本山總持寺にて修行しており、当時の役職は大祖堂という場所で祖師をお守りする配役に預っておりました。

大祖堂は大きい建物で鉄筋コンクリート造りでは日本一の大きい本堂として「千畳引きの大殿」として有名でした。

はじめに少し揺れたと感じた直後にどん、と揺れて直観でヤバイと感じた私は部屋から出て、状況確認をしようとしました。鉄筋コンクリートの建物がきしみながら大きく揺れて、位牌は全て倒れ、コンクリート片が天井から落ちてくるなど、青ざめたのを覚えています。

とにかく一度外に他の修行僧を避難させその直後にまた大きく揺れ、あの大きな建物が左右に揺れていて、今にも倒壊するのではないかと心配になるほどでした。

その後、震源が東日本であると知り驚愕いたしました。神奈川県ですらあの地震の体感です。あとは皆さん周知のとおりです。

その夜、都心の電車はすべて止まり、停車した人たちを總持寺で受け入れるなどの作業に追われました。

翌日も東北に実家のある僧侶たちは帰宅したくても連絡が取りたくてもとれない状態にありました。不安に押しつぶされそうな仲間の顔を忘れません。

私ですら、あの日の恐怖というのは忘れえないものでした。被災地の皆さんにとっては更に想像のできない恐怖と苦しみだったことでしょう。

本当にたくさんの方がお亡くなりになられました。残された人の中でも家族や友人を失い、つらい日々だったことでしょう。未だに避難所に住んでいる方々もいます。まだ見つかっていないご遺体もたくさんあります。まだまだ復興の半ばであるのです。

私たちはこの現実を忘れてはいけないでしょう。

本日曹洞宗では鐘堂がある寺院は14時46分に慰霊者に向けて哀悼供養の心で鐘を鳴らします。報われなかった命たちに対して、残された家族や町の皆さまに対してできる行事だと考慮いたします。

皆さまもこの時間は静かに手を合わされ、黙祷を捧げましょう。忘れぬように、繋がっているように。

この功徳を以て普く一切に及ぼし、我らと衆生と皆共に仏道を成ぜんことを。

住職 慧嶽 匡宏 合掌

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