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和顔愛語/住職日記

慈愛の溢れる笑顔の花地蔵

皆さんごきげんよう。新年から各都道府県で緊急事態宣言が発令されたりとなかなか昨年の雰囲気を今年も継続しい重苦しい空気になりがちです。

そこで今回は「和顔愛語」という言葉をご紹介いたします。

文字通り、優しい笑顔などの穏やかな人相、慈しみの言葉で他者と接することを和顔愛語として、大切な慈悲の心を養う、僧侶にとって大切な精神です。

この言葉を知ったのは私がまだ鶴見の大本山總持寺で一年目の雲水(修行僧)として修行していたころになります。

本山の修行とは一般の方には想像できない世界だと思います。一番近い雰囲気は強豪の体育会系運動部や自衛隊、刑務所などが合わさって割った感じでしょうか(余計ややこしいですかね(笑))

上下関係の例で用いられる「黒いカラスも白くなる」なんていいますが、まさにです。

修行直前の住職(目がうつろ)

そんな修行時代ですから、笑顔はもちろん、そもそも私語もなし。古参(先輩)和尚からは罵詈雑言を浴びせられ、食事は質素、睡眠時間は短く、修行という建前がなければただのブラック企業です(笑)←当時の私の感覚です。今はもちろん意図を咀嚼し納得して感謝しております。

そんな時一年目に出会った言葉が「和顔愛語」ですがから内心「どこがやねん、お坊さんのどこに和顔愛語があるの」とツッコミを心でいれたのを覚えております。

今、現在青岸寺住職になってとても大事にしている言葉になっております。この世間で生きる現代僧侶として一番重要な要素だとすら感じています。そして誰でも直ぐにできる仏道修行実践として布教の際に重宝しております。

慈愛に満ちた笑顔は周りを和ませ、場の雰囲気を淀みなく円滑に朗らかにいたします。他者を思いやる優しい言葉は人と人との距離を身近にして安心と信用を感じる事ができます。

和顔愛語は自身の世界をもまーるくいたします。三毒である貪瞋痴とは対比にあります。怒りの感情はあらゆる軋轢を生みだす縁起になります。そもそも和顔愛語からは怒りも貪りなどをも遠ざける力があります。これが仏教で大切な「慈愛」につながる仏行です。

ここでかの有名なマザーテレサの言葉を引用させていただきます。

゛平和は微笑みから生まれます。世の中には人間の微笑み、人間のふれあいを忘れた人々がいます。これはとても大きな貧困です。

あなたに出会ったすべての人が皆、最高の気分になれるように、親切と慈しみを込めて人に接しなさい。あなたの愛が表情や眼差し、微笑み、言葉にあらわるようになるのです。゛

まさに和顔愛語を実践し行動していた人生だったのでしょう。またこんな言葉もあります。高校生の頃感銘を受けた言葉です。

゛思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。

言葉には気をつけなさい、それはいつか行動になるから

行動には気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。

習慣には気をつけなさい、それはいつか性格になるから。

性格には気をつけなさい、それはいつか運命になるから。゛

人は過去の因果は変える事ができません。しかし今からの行いで人生はいかようにも変わります。

こんな時代だからこそ和顔愛語を大切に実践することをお勧めいたします。

住職 永島 匡宏 合掌

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