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銀$76CC裏盛雪(ぎんわんりゆきをもる)

雪解けで庭園に水が張っている状態

瑞色含春。明けましておめでとうございます。挨拶が遅くなりましたが皆さまにおかれましては良い新年をお過ごしでしょうか。

昨年は新型コロナウイルスという最悪の厄災が世界を震撼いたしました。恐ろしい事に今年もその勢いはとどまることを知りません。

ほとんどの方がこの新型コロナウイルスによる影響下にある中で人間の脆さ、危うさ、儚さが表面化しております。不安や恐怖に押しつぶされる人々を誰が責められるでしょうか?私自身も不安に思うことが多少にあります。青岸寺にも今年になり数件の悩み相談の連絡がありました。

現代の日本に生きる私たちは「安心」を当たり前のように享受していました。この「安心」がどれほど人間にとって大切なのか。肌をもって実感しております。

ではこの安らかな心というのは誰が創造しているのか?これは外ならぬ自分自身であります。安心して生きていく為に物の捉え方、見え方がヒントになるかもしれません。

【銀$76CC裏盛雪】

「銀$76CC裏盛雪(ぎんわんりにゆきをもる」の言葉と私が最初に知ったのは曹洞宗で読まれる「宝鏡三昧」であります。宝鏡三昧は洞山良介禅師が作者です。調べると洞山良介禅師と同時代にこの言葉は使用されており、その言葉を洞山良介禅師が引用しているようです。

さてこの言葉の大まかな意味は私たち人間の性質を説いています。銀$76CCに雪を盛れば雪と銀$76CCとの見分けができなくなります。当たり前ですが、雪と銀$76CCはまったく別性質のものです。

この本来まったく違う事柄を同じものとして捉えてしまうのが人間の性であり、その間違えた認識故に過ちを繰り返してしまう業があります。

普段の日常でもよくある現象だと思います。まったく別の性質なのに同一視してしまい同じテーブルで議論したり、話を進めたりすると大きな過ちに繋がることはたくさんあります。

仏教ではこの本質をしっかり見極めて違いを捉え、「智慧」をもって考える事が大切だとされます。混沌として安心が薄くなったこの時だからこそ銀$76CCは銀$76CC。雪は雪であるとしっかり理解することが大切であります。

現代は情報が溢れ、個人個人に流れている情報も偏りがでています。この情報は受ける側が責任をもって享受しなければならない時代になっています。自身でフェイクニュースと正しい情報を深く考え咀嚼しなければいけません。

その為にも本質を捉えて、情報の大木があるとすれば枝先ばかり見るのではなく、木の根元をしっかり確認し、無駄な不安には狼狽えず、正しい情報に粛々と冷静に判断していくことが心の安心を掴むものと感じております。

まだまだ厳しい冬が続きそうでありますが、やがて暖かい春が訪れます。止まない雨はなく、必ず太陽が昇るように、今年一年も負けずに一緒に歩んでまいりましょう。

本年もよろしくお願い申し上げます。

住職 永島 匡宏 合掌

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